2015 年 47 巻 2 号 p. 122-124
Pompe病は酵素補充療法の導入により, 見逃してはならない治療可能な疾患となった. 心肥大を伴うフロッピーインファントや肢帯型筋ジストロフィーが疑われる症例では, Pompe病を疑い積極的に酵素診断を行う必要がある. 長期的な効果が明確になりつつある現在, 多くの症例で筋力低下が存在することや, 生命予後が改善した乳児型Pompe病では, 心機能, 運動機能, 呼吸機能障害以外の臨床像が報告され, 酵素補充療法の課題や, Pompe病が多系統疾患であることが再認識されている. 治療に関するさまざまな取り組みがされている中で, モデルマウスの研究ではtranscription factor EB (TFEB) がautophagyの機能不全を改善する可能性が示唆されている.