脳と発達
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シンポジウム5:見逃してはならない治療法のある,あるいは今後期待できる小児神経疾患:診断と治療の最前線
副腎白質ジストロフィー
下澤 伸行
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2015 年 47 巻 2 号 p. 117-121

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抄録
 副腎白質ジストロフィー (ALD) はABCD1遺伝子異常によるX連鎖遺伝性疾患で, 大脳半球の広範な進行性脱髄と副腎機能不全をきたす小児大脳型や, 20歳以降に痙性歩行で発症するadrenomyeloneuropathy (AMN) など, 遺伝子変異に規定されない多様な臨床型を有している. 大脳型では発症早期の造血細胞移植が唯一, 有効とされており, そのためには多彩な症状で発症するALDをいかに早く診断するかとともに, 遺伝カウンセリングを踏まえた上での発端者からの発症前患者の発見も重要である. 本稿では早期診断のためのポイントを中心に, ALDの診断と治療に, 本症を取り巻く様々な課題も併せて概説する.
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© 2015 一般社団法人日本小児神経学会
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