脳と発達
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シンポジウム2:発達性読み書き障害(dyslexia)診断と治療の進歩:医療からのアプローチ
治療介入法の考え方
関 あゆみ
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2015 年 47 巻 3 号 p. 198-202

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抄録

 学習障害の治療的介入の中心は障害特性を踏まえた個別の学習指導である. 教育と医療の連携においては, 医療側は医療にしかできない対応や医師の視点からの助言をきちんと行うことが重要である. 介入に対する反応 (response to intervention : RTI) モデルによる介入の実践を通して明らかとなった医療の役割を中心に, 発達性ディスレクシア (developmental dyslexia ; DD) の治療介入における医療の役割を述べた. ①医学的診断, ②鑑別疾患と併存疾患の診断と治療, ③長期的な見通しをもった説明と告知, ④遺伝疾患としての理解と対応, ⑤リハビリテーションの視点に基づく指導・支援方針への助言, を挙げた. 必要に応じた薬物治療やリハビリテーションの利用も含め, 教育と連携しながら継続的に関わっていくことが求められる.

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© 2015 一般社団法人日本小児神経学会
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