脳と発達
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シンポジウム2:発達性読み書き障害(dyslexia)診断と治療の進歩:医療からのアプローチ
今後の研究と診療の展望
小枝 達也
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2015 年 47 巻 3 号 p. 207-211

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抄録
 Dyslexiaのおもな病態は, 音韻処理障害という脳機能の障害であると考えられるようになった. DyslexiaはDSM-5では神経発達障害に分類されていて, 読字障害という限局性学習障害の代替的な用語であると記載されている. つまりdyslexiaは一つの臨床的な単位であるとみなされるようになった.
 本邦においても診断や治療にかかわる臨床的な研究が進んできている. 我々が開発した音読検査は, dyslexiaの診断に向けた検査として, 診療報酬点数の算定ができるし, 音読困難という症状を緩和する指導法の開発も進んできている. Dyslexiaは教育の問題として考えるだけでなく, 医療の対象とすべき時が来ている.
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© 2015 一般社団法人日本小児神経学会
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