【目的】メラトニン受容体に特異的に作用し自然な睡眠をもたらすramelteonを脳波検査時に使用し, 脳波時の催眠薬としての有効性を検証した. 【方法】2010年1月から2012年7月の間に川崎医科大学病院小児科で脳波を受けた523人の患者における862回の脳波検査を後方視的に検討した. 主治医の判断で脳波検査時に睡眠導入できないと考えられた場合は, 患者保護者の同意を得て催眠薬の投与を行った. 薬剤投与量はramelteon 8mg錠 (7歳未満0.5錠 (粉砕), 7歳以上1錠), triclofos sodium (以下TS) 0.7m
l/kg/回, chloral hydrate (以下CH) 30~50mg/kg/回を投与とした. TSを用いて睡眠導入が困難な場合には, 主治医の判断でCH坐薬を追加した. 【結果】睡眠の成功率は, 催眠薬なし群85.7%, ramelteon投与群95.2%, TS投与群96.3%, CH投与群97.3%, TS+CH投与群90.6%であった. 副作用に関しては, ramelteon投与群0%, TS投与群52.2%, CH投与群38.7%, TS+CH投与群66.7%であった. 【結論】催眠薬なし群と比較しramelteon群は有意に睡眠を導入することができた. また有害事象の発生率は他の催眠薬投与群よりもramelteon群で有意に低く, ramelteonは, 脳波検査時の催眠薬として有用であった.
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