脳と発達
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シンポジウム5:オートファジーと小児神経疾患
蛋白質分解システムの強化による球脊髄性筋萎縮症の病態の改善
足立 弘明
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2016 年 48 巻 3 号 p. 188-194

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抄録

 ポリグルタミン病などの神経変性疾患では, 細胞内の変異蛋白質を分解するシステムであるユビキチンープロテアソーム系 (UPS) とオートファジーの機能を凌駕して変異蛋白質が蓄積し, 神経変性が惹起されると考えられている. 球脊髄性筋萎縮症 (SBMA) は, アンドロゲン受容体 (AR) 遺伝子内のCAGリピートが伸長してポリグルタミン鎖が異常に延長した変異ARが産生されることによって運動ニューロンなどが特異的に機能障害および変性死に陥る疾患である. 変異ARのテストステロン依存性核内集積に対するLH-RHアナログを用いたホルモン療法, 分子シャペロンーUPSやオートファジーの機能を活性化する治療法が考えられている.

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© 2016 一般社団法人日本小児神経学会
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