脳と発達
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症例報告
エタノールロック療法により安定した栄養管理が可能となった脳梁欠損と外性器異常を伴うX連鎖性滑脳症の1例
本井 宏尚清水 博之藤原 祐渡辺 好宏加藤 光広武下 草生子
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2016 年 48 巻 5 号 p. 347-350

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抄録

 脳梁欠損と外性器異常を伴うX連鎖性滑脳症は重度精神運動発達遅滞, 難治性てんかんに加えて難治性下痢を合併することが知られている. 現在のところ下痢の病態は明らかとなっておらず, 治療方法も確立していない. 我々は, 1歳4カ月の本症例を経験したが, 持続する難治性下痢に対して乳糖除去低アレルゲンミルク, ソマトスタチンアナログで対応したにもかかわらず改善が得られなかった. 経腸栄養が不可能であったため, トンネル型中心静脈カテーテルを留置し, 持続静脈栄養管理とした. しかし, 短期間でカテーテル関連血流感染症を繰り返したため, 感染症予防目的でエタノールロック療法を導入した. その結果, カテーテルを温存したまま治療継続が可能であった.

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© 2016 一般社団法人日本小児神経学会
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