脳と発達
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原著論文
重症心身障害児の睡眠時自律神経活動の特徴
松井 学洋中井 靖高田 哲
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2017 年 49 巻 4 号 p. 260-266

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抄録

 【目的】重症心身障害児 (以下, 重症児) では, 様々な自律神経機能の異常が報告されている. 睡眠時の心拍変動から在宅重症児の睡眠時自律神経活動の特徴を調べた. 【方法】特別支援学校に在籍する重症児15名 (平均11.0±3.4歳) および定型発達児13名 (平均9.9±3.4歳) を対象とし, 体動量計と心拍記録計を用いて, 夜間の体動量と心拍変動を3日間測定した. 体動量から入眠・覚醒時刻を判定し, その時間帯の心拍変動から睡眠時のlow frequency (LF), high frequency (HF), LF/HFを算出した. また, 睡眠時間を入眠から覚醒まで2時間ごとに4つの時間帯に分け, それぞれの時間帯でのLF, HF, LF/HFの平均値を算出し, 時間経過による変化を定型発達児と比較した. 【結果】睡眠習慣については重症児と定型発達児に差はなかった. 重症児の睡眠時HFは, 定型発達児に比べて有意に低く, LF/HFは有意に高くなっていた. また, 睡眠時間全体を通して, LF/HFが定型発達児より有意に高かった. 【結論】夜間睡眠時の重症児の自律神経活動は, 睡眠時間全体を通して副交感神経活動の低下が見られ, 交感神経活動が優位な状態となっていた. 脳の器質的な病変に起因する中枢神経系の制御機構の未熟性や呼吸障害が要因となっている可能性がある.

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© 2017 一般社団法人日本小児神経学会
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