2017 年 49 巻 6 号 p. 391-395
睡眠関連疾患精査のゴールドスタンダードは睡眠ポリグラフ検査であり, 脳波, 眼電図およびオトガイ筋筋電図を基本とし睡眠の量や質, 睡眠中の生体現象を調べる検査である. 眠気を客観的に評価する方法は反復睡眠潜時検査であり, ナルコレプシーなどの中枢性過眠症の診断に有用である. しかし, 我が国ではこれらの検査を小児に実施できる施設は少ないのが現状であり, 検査の経験を持つ小児科医は少なく, 他科や他の医療機関に検査を依頼することも多い. しかし, 成人と小児では一部判定ルールが異なる点に留意が必要である. 本稿では米国睡眠医学会の最新のマニュアルに基づき, これらの検査について解説する.