抄録
炭化処理は、固形有機系廃棄物の無害化及び減容化を達成することが可能な技術である。また、生成した炭化物は長期保存が可能でありかつその利用用途も広範であることから、炭化処理は有効な廃棄物処理技術の一つとして研究・実用化されている。更に、化石燃料の枯渇が世界的に懸念されている近年、廃棄物からの代替燃料回収という観点からも、炭化処理は着目されている。 米国ハワイ州のハワイ大学では近年、Flash Carbonizationと呼ばれる新規な炭化技術を用いて、キャンパス内で発生する樹木等の有機系廃棄物を集約して炭化し、炭化物を代替燃料、土壌改良剤、吸着剤等として販売するプロジェクトを立ち上げている。本稿では、ハワイ大学における上記Flash Carbonizationプロジェクトの取り組みと、生成炭化物の新規利用技術として同大学ハワイ自然エネルギー研究所において研究開発が行われているバイオカーボン燃料電池とについて報告する。