2018 年 50 巻 5 号 p. 355-359
症例は在胎33週, 出生体重1,070g (−3.57SD) で出生した男児. 上気道狭窄, 小顎, 肺動脈狭窄, 両眼開離など多発奇形を認めた. 日齢1の脳波でsubclinical seizureを認め, 生後2か月から抗てんかん薬に抵抗性の焦点性間代性発作が頻発した. G-band法は正常男性核型を示したが, 全エキソーム解析データを用いたコピー数解析を行ったところ, 4番染色体 (4p16.3-16.2) に5.3Mbの欠失, 19番染色体 (19q13.33-13.43) に9.5Mbの重複を認め, Wolf-Hirschhorn syndrome (WHS) と診断した. 本児は典型的なWHSの顔貌を呈しておらず, てんかんと脳波所見の経過も通常のWHSの特徴と異なっておりWHSを疑うことができなかった. 19番染色体の部分重複の合併が臨床像に影響したと考えた. 複数の遺伝子に影響を及ぼすような転座を有する場合は臨床像が典型的でない可能性があり, 診断の一助として網羅的遺伝子解析が有用と考えた.