2019 年 51 巻 3 号 p. 151-156
近年における先天性サイトメガロウイルス (CMV) 感染症の診療における最大の進歩は, 症候性感染児に対する抗ウイルス療法が予後を改善できることを示したことである. それに伴って, 感染児を見逃すことなく確定診断することの重要性が増し, 本邦では生後21日以内の新生児尿を検体としたCMV核酸増幅法が保険収載された. しかし今なお多くの先天性CMV感染児が診断されないまま見逃されており, 特に新生児聴覚スクリーニングを経て発見された先天性難聴児の中に潜む先天性CMV感染児の早期診断と治療介入が進むことが望まれる.