脳と発達
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原著論文
筋ジストロフィー患者自身による災害対策の現状 (第一報)
加藤 沙耶香服部 文子水野 久美子栗原 崇浩榎原 毅矢澤 健司貝谷 久宣齋藤 伸治
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2020 年 52 巻 5 号 p. 303-305

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抄録

 【目的】災害発生時, 筋ジストロフィー患者やその家族は, 安全確保や避難所での生活において様々な困難が生じると予想される. 在宅医療を必要とする筋ジストロフィー患者自身による災害対策の実態調査を行った. 患者自身の背景について第一報として報告を行う. 【方法】2014年から2015年に, 筋ジストロフィー協会会員へアンケートを送付し, 患者背景 (居住状況, 年齢, 性別, 職業, 介助の有無, 医療機器の使用状況) について調べた. 【結果】876通の回答 (回収率53.8%) があった. このうち在宅筋ジストロフィー患者776人に対し解析を行った. 年齢の中央値は31歳 (1~83歳), 就学前5.2%, 学生25.4%, 就労者は20.7%であった. 移動・着替え・食事のいずれかに介助を要する人が85.3%, 在宅人工呼吸器の使用者が32.1%であった. 【考察】災害対策の人工呼吸器を使用する患者には電源確保が必須であり, 準備には費用負担と行動力が必要である. しかし上記の背景から筋ジストロフィー患者自身が準備するには, 経済的・人的支援が必要と考えられる.

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© 2020 一般社団法人日本小児神経学会
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