2021 年 53 巻 4 号 p. 286-290
【目的】てんかん診療において発作型の判断は重要である. 通常は問診や外来脳波などを用いて発作型を推定するが, 正確な判断が困難な場合もある. てんかんの発作型診断におけるビデオ脳波モニタリング (VEEG) および専門医診察の有用性について検討した. 【方法】2015年4月1日から2019年3月31日の間に当科でてんかん発作の評価として12時間以上VEEGが施行された139例について後方視的に検討した. 【結果】139例中115例 (82.7%) で発作捕捉が可能であった. 検査時の発作頻度が日単位の症例, 知的障害を合併した症例では発作捕捉率が高かった. 発作を捕捉できた115例中113例 (98.3%) では発作起始の特定あるいは非てんかん性の診断が可能であった. 小児神経専門医の診察機会があった症例では非専門医から紹介となった症例と比較しVEEG前後で発作型が不変であった割合が有意に高く (p=0.025), 専門医の診察は発作型診断に有用と考えられた. 専門医の診察機会があった症例でも62.8%はVEEG検査後に発作型が新たに明らかになった. 【結論】小児神経専門医の診察を受けた症例では発作型の診断が正確な割合が多く, 専門医の診察は発作型診断に有用である. 一方, 専門医の診察を経てもVEEGはてんかんの発作型診断と治療方針の判断において有用であり, 発作コントロール困難な症例では検査を考慮すべきと考えられる.