脳と発達
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<企画シンポジウム6:難治性小児神経疾患の新生児スクリーニング国内新規導入の現状と課題>
脊髄性筋萎縮症における新生児スクリーニング,現状と課題
齋藤 加代子加藤 環松尾 真理浦野 真理池田 有美
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2023 年 55 巻 3 号 p. 167-172

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抄録

 脊髄性筋萎縮症(SMA)の医療において,3種類の疾患修飾治療薬が用いられるようになり治療と発症予防が可能となり,発症前に治療を受けた児が順調に成長発達している.その背景と疾患重篤性ゆえに新生児マススクリーニング(NBS)を期待するのは必然である.わが国でも,SMAのNBSプログラムへ導入の検討がなされ,一部の自治体や医療機関で開始され,陽性例が10例を超え,その治療が開始されている.NBS検査陽性の児の保護者への情報提供と支援,NBSを意識した診断基準の制定,診療脱落のない体制整備,治療方針決定のためのエビデンス蓄積,そしてレジストリーと長期サーベイランス体制整備が必要と考える.

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© 2023 一般社団法人日本小児神経学会
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