脳と発達
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原著論文
小児の焦点てんかん患者におけるlacosamide単剤療法とlevetiracetam単剤療法の有効性と安全性の比較
佐々木 夏澄藤井 裕士大野 綾香出雲 大幹板村 真司佐藤 友紀岡野 里香
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2023 年 55 巻 4 号 p. 268-273

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抄録

 【目的】小児の焦点てんかん患者においてlacosamide(LCM)とlevetiracetam(LEV)の有効性と安全性について比較検討した.【方法】当院で新規にLCMおよびLEVでの単剤療法を開始した4歳以上16歳未満の焦点てんかん患者について,有効性と副作用について診療録を用いて後方視的に検討した.有効性はLCMまたはLEVを基本維持量まで増量した日から12か月間の発作頻度で評価し,発作頻度を指標に著効(発作消失),有効(50%以上減少),無効(50%未満減少),増悪で判定した.【結果】対象はLCM 23例(男14例),LEV 33例(男18例)で,治療開始時の年齢がLCM 4.1歳~13.6歳(中央値7.8歳),LEV 4.0歳~15.8歳(中央値8.8歳)であった.有効性はLCMが著効15例(65.2%),有効6例(26.1%),LEVが著効21例(63.6%),有効8例(24.2%)で統計学的有意差はなく,いずれの群でも増悪症例は認めなかった.副作用についてもLCM 6例(26.1%),LEV 7例(21.2%)で有意差なく,副作用のために投薬中止する症例はみられなかった.副作用の内訳は,LCM群で眠気5例,不注意1例,頭痛1例,鼻咽頭炎1例,LEV群で易刺激性・易攻撃性3例,眠気3例,頭痛1例,気分不良1例,嘔吐が1例であった.【結論】小児の焦点てんかん患者においてLCM単剤療法とLEV単剤療法は同等の有効性,安全性であった.

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© 2023 一般社団法人日本小児神経学会
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