脳と発達
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症例報告
経時的な脊髄MR neurographyの評価で神経根肥大を認めたCharcot-Marie-Tooth 2A型の1例
中橋 匠松浦 隆樹菊池 健二郎竹田 里可子竹内 博一野々山 葉月平田 佑子小一原 玲子橋口 昭大髙嶋 博浜野 晋一郎
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2024 年 56 巻 6 号 p. 427-431

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抄録

 7歳女児が歩容異常を主訴に受診し,遠位筋優位の筋力低下,両側アキレス腱反射減弱,末梢優位の感覚障害を認めた.脊髄magnetic resonance(MR)neurographyは正常であったが正中神経の伝導障害を認めた.末梢神経障害を疑い,遺伝子検査ではmitofusin 2(MFN2)遺伝子バリアント(c.718T>G,p.F240V)を認め,Charcot-Marie-Tooth(CMT)2A型と診断した.理学療法を継続したが症状は緩徐に進行し,10歳4か月時には独歩は困難となり,脊髄MR neurographyではL2~5の神経根肥大を認めた.小児のCMT2A型では初期には脊髄神経根の形態異常を認めず,本症例のように症状の進行と共に神経根の肥大を認めることがあり,疾患進行性評価に脊髄MR neurographyが有用である可能性が考えられた.

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© 2024 一般社団法人日本小児神経学会
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