2025 年 57 巻 1 号 p. 53-55
可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎・脳症(clinically mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion;MERS)は,わが国の小児急性脳症のなかでも頻度が高く,異常言動,意識障害,けいれんで発症し,多くは神経学的後遺症を残さず回復する急性脳症である.今回,尿閉を契機にMERSの診断に至り,自然軽快した2歳男児例を経験した.MERSと急性尿閉の合併は稀であり,生理学的検査結果より病態を考察した.