脳と発達
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ニーマン・ピック病の実験モデル: AY-9944によるスフィンゴミエリネースの減少
桜川 宣男
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1978 年 10 巻 1 号 p. 2-9

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抄録
コレステロール代謝阻害剤であるAY-9944をラット腹腔内連日投与した結果, 種々の臓器中のスフィンゴミエリネースが著明に減少し, 肝臓内のスフィンゴミエリン, 特に代謝回転の速いsphingomyelin Cの増加を示した. スフィンゴミエリネースの抑制物質がin vivoにおいて存在せず, 薬剤自身の作用がin vitroで否定された事により, AY-9944の投与によりスフィンゴミエリネースの合成が生体内で阻害されたと考えられる. このようにして作成した実験動物は, ニーマン・ピック病の急性実験モデルとして有効に使用し得ると考えられる.
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© 日本小児小児神経学会
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