脳と発達
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入浴で誘発されたてんかん
追跡的研究
倉田 吾
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1979 年 11 巻 5 号 p. 400-405

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抄録
初期の発作が入浴で誘発されたと考えられるてんかん12例につき, 平均5年間の追跡的研究を行なった.
1) 入浴時発作出現年齢は, 乳児期3例, 幼児期8例および学童期1例で, 乳幼児期が大多数 (12例中11例) を占めた.
2) 入浴時発作出現から非入浴時発作出現までの期間は, 12例中6例 (50%) が3ヵ月以内, 12例中9例 (75%) が1年以内であった.
3) 入浴時の発作型は強直一問代性, 間代性, 強直性および脱力性の4型がみられた.続発した非入浴時の発作型は, 全例が大発作で2例に他型が合併した.
4) 12例中6例 (50%) は, phenobarbital単独で発作がコントロールされた.
5) 受診時期は, 入浴時発作出現時は少なく, 非入浴時発作出現時が多かった.
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© 日本小児小児神経学会
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