抄録
phenobarbital (以下PBと略) を単独で1ヵ月以上長期投与されている123例の小児を, 1ヵ月-1才未満 (1群), 1-3才未満 (II群), 3-5才未満 (III群), 5-7才未満 (IV群), 7-9才未満 (V群), 9-11才未満 (VI群), 11-16才未満 (VII群) の7年齢群に分け, PBの投与量 (D, mg/kg/日, またはA, mg/m2/日) と, 血中濃度 (S, μg/ml) の関係について検討した.各年齢群ともDとSは有意な正の相関をみ, 回帰直線は1群S=3.9D-2.8, II群S=4.7D-0.9, III群S=3.6D+3.6, IV群S=5.3D+0.8, V群S=5.8D+2.7, VI群S=6.4D+0.8, W群S=9.0D-0.7であった.
加齢に伴うS/D比の増大は3才と9才前後で停滞をみせ, S/D比と体重 (W, kg) の関係もほぼ3才を境とした体重15kg前後で変化を認めたが, 11才以後は成人のS/D比に急に近づいていく症例があると思われた.
一方S/A比の加齢に伴う変化は, 8才付近までは漸増傾向を示したが, 以後はほぼ一定であった.