脳と発達
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小児のCarbamazepine血中濃度について
後藤 友子北原 久枝福山 幸夫
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1979 年 11 巻 6 号 p. 525-530

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抄録

Carbamazepine (以下CBZ) を単独長期持続投与されている小児てんかん患児の血中濃度と投与量の関係を検討した. 対象は, CBZ単独投与開始後1ヵ月以上内服している6カ月-15才の小児17名で, 血中濃度はEMITにより測定した. 血中濃度/投与量比 (S/D比) と体重の相関性について検討したところ, 相関係数r=0.66(P<0.005) と有意の相関を示した. また同一患者で2回以上血中濃度を1ヵ月以上2年までの内服期間中経時的に測定し得た9症例を検討してみると, 必ずしもS/D比は経時的に減少してゆくとは思われない症例もあった.また投与期間1ヵ月より5ヵ月までの1才以上5才未満の小児9例について投与量と血中濃度の関係を検討したところ, 相関係数r=0.83(P<0.001) で有意の相関を認めた. このように幼小児のCBZ投与量と血中濃度の相関関係が従来報告されている成人のそれに比して高いことは注目に値すると思われた.

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© 日本小児小児神経学会
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