抄録
1) 昭和51年11月より昭和55年2月までに頭部CTスキャンを実施した503名の中で+2SD以上の頭囲拡大を示した25名についてCT所見を中心に頭囲の発達と比較検討した。
2) 大頭症25名の中で最も多く認められたのは精神運動発達正常児10名 (40%) であつた. それらはいずれも男児であり, CT所見では側脳室の拡大, シルビウス裂溝の拡大, 大脳縦裂の拡大が軽度ないし中等度に認められることが多かつた。
3) 大頭症に原因不明の精神薄弱を伴うものが5名 (20%) で次に多かつた. これらのCT所見は発達正常児10名と同様の傾向を示し, 両者の間に特徴的な差を認め得なかった。
4) 発達正常児は頭囲が正常の上限に徐々に近づくか, または正常上限に平行して発達する傾向を示した。