脳と発達
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変性疾患の病理
鴨下 重彦
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1982 年 14 巻 3 号 p. 276-281

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抄録
小児期変性疾患として重要であるWerdnig-Hoffmann病,Leigh脳症,亜急性硬化性全脳炎(SSPE)について,神経病理学上の問題点を指摘した.
Werdnig-Hoffmann病については脊髄前根グリア束と病因との関連,視床病変,Onuf核神経細胞の変性などが注目される.
Leigh脳症については,臨床病理学的に新生児型,乳児型,若年型,成人型と分けられるものの,それらの病因的な関連性はうすく,またpyruvate dehydrogenase complex欠損症を証明された症例の中に病理学的にLeigh脳症と考えられるものがある.
17歳で死亡したSSPEの脳で極めて広汎にAlzheimer原線維変化を認め,slow virusinfectionによる慢性の神経感染症でおこり得る病変と考えられる
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© 日本小児小児神経学会
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