抄録
過去9年間に我々の行ってきた脳変性疾患の生化学的診断成果をのべた. 臨床的記載の明らかな, 過去6年間の検査症例805例中, 脳変性疾患と分類されたのは136例であり, その半数近くは何らかのリソゾーム病であることが確認された. これは一定の選択をうけたあとの二次スクリーニングの結果であるが, リソゾーム病は脳変性疾患の原因として, 頻度の高いものの一つと考えられた.
我々の経験例の中で, 成人型GM1-ガングリオシドーシス, ガラクトシアリドーシス, Niemann-Pick病C型の症例についての研究成果をもあわせてのべた.