脳と発達
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小児におけるフェニトイン細粒剤 (市販名アレビアチン細粒) の臨床薬理学的検討
植松 文江高木 俊治福山 幸夫谷古宇 秀
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1982 年 14 巻 3 号 p. 324-332

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抄録
現在本邦で市販されているフェニトイン散剤のbioavailabilityは錠剤より著しく劣っている. このため錠剤と同等のbioavailabilityを有する目的で細粒剤 (市販名: アレビアチン細粒) が試作されたので, この製剤のbioavailabilityを臨床的に検討し, 他の剤形 (散, 錠, 錠末) のそれと比較した. 対象は当科外来通院中の小児てんかん患者58例 (2-16歳) である. 血中濃度測定は主としてGLC法によった.
1.“アレビァチン細粒” の投与量-血中濃度相関は, 現行市販のフェニトイン錠剤のそれに比較的近かった.
2.“アレビアチン細粒” のS/D比は, 約5mg/kg/dayの投与量において, 5-9歳で約1.0, 10-16歳で約1.5であり, 10歳を境にS/D比の有意な上昇をみた.
3. 各剤形間のS/D比の比較, 及びin vitroでの溶出試験の結果より, アレビアチン細粒のbioavailabilityは, 錠よりやや小, 散より有意に大 (S/D比の平均値は約1.4倍) であった.
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© 日本小児小児神経学会
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