脳と発達
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硬膜下滲出液貯留, 頭蓋内石灰化を呈した単純ヘルペス脳炎の1例
宮本 信也五十嵐 正紘鴨下 重彦
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1982 年 14 巻 3 号 p. 333-339

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抄録
左半身痙攣を呈した3ヵ月女児を単純性ヘルペス脳炎 (HSE) と診断した. 診断は, 局所神経所見, 脳波での右側頭葉の0.8秒周期の二連棘波, CTでの両側側頭葉の低吸収域, 血清での単純ヘルペスウイルス (HSV) 抗体価の8倍から1,024倍への上昇をもってなされた. ウイルス分離iはしていない. 経過中, 左硬膜下滲出液貯留, 両側基底核石灰化, 脳回状石灰化, さらにCT上での側頭葉低吸収域の改善を認めた. 滲出液中, HSV抗体価は4,096倍と高値を示し, 中枢神経系での抗体産生の可能性も示唆された.
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© 日本小児小児神経学会
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