抄録
Failure to thriveを訴える小児の基礎疾患は多岐にわたり, すみやかな鑑別診断が重要である. 本シンポジウムでは先天代謝異常症の早期診断につき述べた.先天代謝異常症患児では, 発育不全・哺乳不良は共通にみられる症状で, その他嘔吐・嗜眠・けいれん・筋緊張低下及び亢進, などは新生児期にみられる他の重症疾患にも共通にみられ, 早期鑑別が重要である. 著者は, 先天代謝異常症につき, 早期診断の意義, 臨床症状からみた診断, 臨床検査所見よりみた診断へのアプローチについて言及した.