脳と発達
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ピルビン酸脱水素酵素複合体部分欠損によるmitochondrial myopathyにおける筋病変
鈴木 暘子宍倉 啓子大澤 真木子平山 義人茂木 令子三石 洋一山口 規容子福山 幸夫
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1983 年 15 巻 4 号 p. 290-300

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抄録

高ピルビン酸, 高乳酸, 高アラニン血症を示し, 生検肝組織のピルビン酸脱水素酵素複合体の著明な活性低下を認めた2症例の生検筋組織の組織, 組織化学, 電顕的検討を行った.
両例ともに, 線維の大小不同, 散在性のragged-redfiberを認め, 1例ではズダンIII染色で脂肪滴の増多を多くの線維に認めた.組織化学的には, 酵素活性の低下なく, 酸化酵素染色でragged-redfiberにおける活性の増強を認めた.
電顕的には, ミトコンドリアの筋鞘膜下の集積があり, 更にミトコンドリアの大小不同, クリスタ配列の異常, myeline figure, electron densebody, 結晶状封入体を認めた.1例では上記所見に加え, 筋線維内のグリコーゲン顆粒の蓄積と, ミトコンドリア周辺の脂肪滴の増多を認めた

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© 日本小児小児神経学会
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