脳と発達
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てんかん児と水泳
松岡 収村田 良輔金 正義武田 公子上田 亨一色 玄高木 俊一郎
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1983 年 15 巻 4 号 p. 301-309

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抄録
普通学級通学中のてんかん児30名を対象にテレメーター装置を用いて水泳中の脳波を記録し, 棘波および背景脳波の変化を検討した.
検査当日, 15名に棘波の出現がみられたが, 水泳中脳波で棘波の増加した症例はなく, 特に完全記録された10名では, 平均棘波出現率を各閉眼状態で比較すると, 水泳前9.2%, 第1回水泳中4.1%, 第1回水泳後9.2%, 第2回水泳中2.4%, 第2回水泳後6.4%と明らかに水泳中において, 棘波の出現は減少していた.水泳負荷後では, 第2回水泳後に10名中7名に棘波の減少が認められた.
背景波の変化については, ATAC 450 Cによるpower spectrum解析を行った.水泳中ではalpha帯域の高周波化とpower値の低下, 水泳負荷後ではalpha帯域の高周波化とpower値の増加が認められ, 視察的な脱同期化傾向および徐波成分の減少と一致するようであった.
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© 日本小児小児神経学会
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