脳と発達
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小児の脳血管障害
自験21症例の分析と最近の知見について
村山 享一中沢 省三
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1984 年 16 巻 1 号 p. 12-20

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抄録

著者らは過去7年間に15歳以下の小児脳血管障害患者21症例を経験した. 内訳は, 脳動静脈奇形12例, 特発性脳内血腫5例, 脳動脈瘤2例, モヤモヤ病1例, 頭蓋内動脈閉塞症1例である.脳動静脈奇形は平均年齢11歳で男子5例女子7例であり, 部位は大脳半球表在部8例, 深部3例, 硬膜動静脈奇形1例であった. 10例に手術が施行され, 部分摘出術, シャント術のものは再出血をきたし1例が死亡した. 特発性脳内血腫は平均年齢6.8歳で, 男子1例女子4例と女子に多い. 部位は, 大脳半球4例, 小脳1例であり, 血腫量は約30mlである. 3例に手術が施行され, そのうち1例に小血管腫が認められた. 手術成績は良好である. 14歳男子の前交通動脈瘤と, 7歳女子の中大脳動脈瘤の2例とも手術が施行され予後良好である. 痙攣で発症したモヤモヤ病は, 対症療法で知能障害, 片麻痺が残存した. 左中大脳動脈閉塞症は保存的療法で改善した.

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© 日本小児小児神経学会
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