脳と発達
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16 巻 , 1 号
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  • 小川 昭之
    1984 年 16 巻 1 号 p. 2-3
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 尾上 幸子, 安部 治郎, 田川 哲三, 小野 次朗, 三牧 孝至, 藪内 百治, 林 正俊, 貴田 嘉一, 杉田 隆博
    1984 年 16 巻 1 号 p. 4-11
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児重症筋無力症における抗アセチルコリン受容体抗体価の治療による変動と予後との関係を検討した. 対象は眼筋型36例, 全身型4例, 球型3例で, 抗体価は除神経したラット骨格筋を用いる抗ヒトIgG法で測定した.眼筋型10例, 全身型1例はピリドスチグミンのみで治療され10/11例が完全寛解した. この11例の抗体価は9/11例で0.2pmol/ml以下であった. 眼筋型の他の26例と全身型3例, 球型3例はステロイド療法を併用した. 眼筋型ではステロイド開始後6ヵ月頃より抗体価は低下した. 全身型も同様に6ヵ月頃一旦低下したが, ステロイドの漸減に伴い抗体価の上昇や変動を認め, 経過中の抗体価は眼筋型よりも高値を示した. 球型もステロイド開始後数ヵ月で抗体価は低下したが, 眼筋型と全身型の中間位の傾向を示した. 眼筋型では10/26例が完全寛解したが全身型および球型は寛解例を認めなかった.
  • 村山 享一, 中沢 省三
    1984 年 16 巻 1 号 p. 12-20
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    著者らは過去7年間に15歳以下の小児脳血管障害患者21症例を経験した. 内訳は, 脳動静脈奇形12例, 特発性脳内血腫5例, 脳動脈瘤2例, モヤモヤ病1例, 頭蓋内動脈閉塞症1例である.脳動静脈奇形は平均年齢11歳で男子5例女子7例であり, 部位は大脳半球表在部8例, 深部3例, 硬膜動静脈奇形1例であった. 10例に手術が施行され, 部分摘出術, シャント術のものは再出血をきたし1例が死亡した. 特発性脳内血腫は平均年齢6.8歳で, 男子1例女子4例と女子に多い. 部位は, 大脳半球4例, 小脳1例であり, 血腫量は約30mlである. 3例に手術が施行され, そのうち1例に小血管腫が認められた. 手術成績は良好である. 14歳男子の前交通動脈瘤と, 7歳女子の中大脳動脈瘤の2例とも手術が施行され予後良好である. 痙攣で発症したモヤモヤ病は, 対症療法で知能障害, 片麻痺が残存した. 左中大脳動脈閉塞症は保存的療法で改善した.
  • 赤井 貞康, 加我 君孝, 田中 美郷
    1984 年 16 巻 1 号 p. 21-26
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1975年より1981年までの7年間に, 帝京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科小児難聴言語外来を受診した, 髄膜炎によると思われる難聴児18例の, 聴覚平衡障害についてしらべた.
    結果は以下の通りである.1) 難聴の程度は, 2例を除き90dB以上の高度難聴であった.
    2) 幼児期に髄膜炎に罹患した難聴児は, 有意語の減少, 構音の歪化などの言語の障害を示した.
    3) 一方向減衰回転検査, カロリックテストにより, 10例に末梢前庭障害を示唆する所見が得られた.
    以上の結果より髄膜炎罹患後は, 早期に聴力・平衡の障害の有無を検索し, とくに難聴を認めた時は, 直ちに聴能言語訓練を行う必要がある. また逆に, 髄膜炎罹患後平衡障害をきたした症例は, 難聴の存在を強く疑って対処すべきである.
  • 池田 整昭, 満留 昭久, 緒方 博子, 大府 正治
    1984 年 16 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Sodium valproate (VPA) 単独服用中の患児28例についてVPA血中濃度測定と同時に血小板数, 血小板機能を調べ, うち15例に機能異常を認めた. 2, 血餅収縮能は, 24例中2例, 血小板粘着能は28例中3例に低下がみられ, 血小板凝集能では, リストセチン凝集で26例中6例, コラーゲン凝集28例中9例, ADP凝集で28例中15例に低下がみられた. また, 機能障害とVPA血中濃度との問には相関はみられなかった .3. 誤ってVPAを大量服用した症例で, 服用直後, 著明な機能障害がみられ, 40日後の再検査にて正常にもどっていた. 4. 臨床症状がみられたものは, 抜歯後の止血困難1例, 頻回の鼻出血1例の2例のみであった.
  • 岡 成寛, 五十嵐 良雄, 成沢 邦明, 多田 啓也
    1984 年 16 巻 1 号 p. 32-37
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    生後10ヵ月のとき, バルプロ酸ナトリウム (VPA) 投与により, 嗜眠・高アンモニア血症をきたしたプロピオン酸血症の1例を報告した. VPA投与前は, 精神運動発達遅滞と筋緊張低下であり, 低体温・好中球減少・血小板減少・けいれんは観察されたが, ケトーシス・嘔吐・嗜眠・高アンモニア血症は観察されなかった. 高グリシン血症は生後6ヵ月のとき, 一過性に観察された. VPA投与時の症状は, 嗜眠・嘔吐・高アンモニア血症であり, VPAの副作用との鑑別が必要であった. 患児は, 培養皮膚線維芽細胞中のプロピオニールCoAカルボキシラーゼ活性の低下が観察され, プロピオン酸血症と診断した. ロイシン・イソロイシン・バリン・メチオニン・スレオニン・グリシン除去ミルクと低蛋白離乳食によって, 患児はわずかではあるが発達がみられ, けいれんのコントロールも可能となった.
  • 石川 達也, 清水 国樹, 粟屋 厚子, 井上 義夫
    1984 年 16 巻 1 号 p. 38-46
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    歩行可能な先天性進行性筋ジストロフィー症 (CMDと略) の6歳女児孤発例を報告した.
    寝返り7ヵ月, 乳児期這行不能, 起立困難から, 発症年齢を生後4~8ヵ月と推定した. 13ヵ月から歩行可能となったが, 動揺性で, 6歳になっても走れず, 4年の経過観察で顔面筋罹患が明瞭となり, 関節拘縮も軽度出現する等, 緩徐に進行した. 筋力低下は腰帯筋に目立ち, 軽度筋緊張低下, 膝蓋腱反射消失あり, 仮性肥大は腓腹筋に著明, 他の部位にも軽度に見られ, IQは70前後であった. CPKは正常上限の約20倍 (母は正常), 筋電図は筋原性変化を示し, 筋生検ではジスーフィーの所見が見られたが肥大線維はなかった. 染色体は46XXであった.
    本症例は福山型CMDの非典型例のIV型 (Fukuyama et al., 1981) に酷似するが, 歩行開始が早い, 知能障害が軽い, 仮性肥大が限局性, 筋力低下が腰帯筋優位等の点でやや異なり, IV型のvariationであろうと考えた.
  • 山本 崇晴, 神谷 典男, 蜂谷 明子, 平田 清二, 大谷 勉, 細江 昭比古, 西村 豊, 粟屋 厚子, 西村 嘉郎, 室 博之
    1984 年 16 巻 1 号 p. 47-53
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    我々は5歳の時に急激で重篤な呼吸不全, 心不全をきたしたnemaline myopathyの1例を経験した. 症例は在胎42週, 出生体重3, 4009. 両親および家系内に神経筋疾患はない. 出生時より筋緊張低下があり, 歩行開始1歳6カ月. Gowersの徴候があった. 入院3週間前より食欲が落ち, 5日前より顔色不良となり, 前日に眼瞼, 下肢に浮腫が出現. 翌朝, チアノーゼが見られ入院した. 入院時, 痩身で, 高口蓋と軽度の側彎があった. 心音は奔馬調律, 心拡大 (心胸郭比63%) あり. 心電図にて右房右室肥大があった.血液ガス分析で著明な高炭酸ガス血症と低酸素血症を認めた. CPK, GOT, GPT, 髄液, CT scan, 脳波に異常なく, 血液および髄液培養は陰性であった. 大腿四頭筋生検にてnemaline rodが存在し, タイプ1線維が優位かつ萎縮していた.入院後, 人工換気により全身状態は著明に改善し, 筋力の改善もみられる. 現在昼は独歩可能であるが夜間は人工換気が必要である.
  • 岡本 真理子, 長尾 秀夫, 松田 博, 榊 三郎
    1984 年 16 巻 1 号 p. 54-60
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    単純ヘルペス脳 炎 (HSV脳炎) の8ヵ月の女児の1例を報告した. 発熱, 痙攣, 意識障害で発症し, 脳波でperiodic sharp wave, CTで左頭頂部のhigh density area, 左側頭部のlow density areaが認められ, 造影剤注入後にはstreak linear enhancementが出現した. 臨床的にHSV脳炎を疑ったが, 同時に脳内血腫の存在も考えられたので血腫除去による減圧を目的として開頭術を施行した. 手術時に得られた脳組織からHSV1型が分離同定されHSV1型脳炎と確定診断した. 患児は重篤な症状を呈したが, 第8病日よりAdenine arabinoside (Ara A) を10日間投与し救命し得た.
  • 村松 康男, 太田 秀臣, 落合 幸勝, 衛藤 義勝, 山田 哲, 入倉 哲郎, 木野 雅夫
    1984 年 16 巻 1 号 p. 61-67
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Menkes'kinky hair disease (以下Mellkes病) は, 銅代謝異常, 精神運動発達遅延, 痙攣, 特徴ある毛髪を主症状とする疾患である. 最近, 私達はMenkes病の1症例を経験しCTscanによる経過観察を行い興味ある所見を得たので報告する. 症例は, 生後3ヵ月より痙攣が出現し, 生後8ヵ月にて肺炎に罹患し痙攣の増加をみたため当科に入院した. 入院時, 毛髪は一部粗で短く茶褐色で縮れ毛が密生していた. 血清銅・セルロプラスミンの低値, 硫酸銅経口負荷試験にて反応がみられないことよりMenkes病と診断した. CT所見上, 生後4ヵ月では脳室系の拡大, 大脳半球・脳幹部の萎縮がみられ, 生後9ヵ月では硬膜下に高濃度の貯留液がみられた. 生後10ヵ月で著明な硬膜下血腫が出現したため, 血腫除去術を施行した. 手術時, キサントクロミックな貯留液および隔壁を有する硬膜下血腫が認められた. CT所見および手術所見より, 患児のCT上の変化は, 急速な脳実質の萎縮による橋静脈の断裂, および血管壁の脆弱性により, 慢性に繰り返された微少出血によると考えられた.
  • 田角 勝, 林 美智子, 岩本 弘子, 佐々木 佳郎, 原 正道
    1984 年 16 巻 1 号 p. 68-75
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    大脳皮質, 白質および小脳に広範な病変を認め, 臨床的にはearly infantile epilepticencephalopathy (以下EIEE) を呈したLeigh脳症の一剖検例を報告した.
    本児の兄は, 乳児早期より点頭てんかんと診断され, 本児とほぼ同様の臨床経過および所見を呈し, 1歳時に死亡している. 本児は, 精神運動発達遅滞があり, 生後11/2カ月よりtonicspasmを認め, 脳波所見では, sup Pression-burstを示し, 臨床的にはEIEEと考えられた. CTスキャンでは, 大脳基底核, 視床のみならず, 大脳皮質, 白質, 小脳におよぶ広範な対称性の低吸収域を認めLeigh脳症が疑われた. 症状は進行性の経過をとり, 4ヵ月20日呼吸不全にて死亡した.
    剖検所見では, 大脳皮質, 白質, 基底核, 視床, 中脳, 小脳に毛細血管の増生および一部グリオーシスを伴う広範な壊死性病変を認め, Leigh脳症と診断された. さらに本例では, 乳頭体にも同様の病変を認めた.
  • 京谷 征三, 入道 秀樹, 松島 昭広, 木村 晶子
    1984 年 16 巻 1 号 p. 76-78
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    生後10ヵ月の日本人男児. 頭囲拡大を主訴に来院した. CT上白質相当部に広汎性対称性に著明な低吸収域を認めた. 蓄積疾患, 代謝疾患を疑い検索を試みたが, いずれも否定的である. Canavan病あるいはAlexander病と考えているが, 家族内発症のないこと, 人種の違いよりCanavan病の可能性大と考えている. 3歳9ヵ月の現在, 未だ症状発現はない.
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