大脳皮質, 白質および小脳に広範な病変を認め, 臨床的にはearly infantile epilepticencephalopathy (以下EIEE) を呈したLeigh脳症の一剖検例を報告した.
本児の兄は, 乳児早期より点頭てんかんと診断され, 本児とほぼ同様の臨床経過および所見を呈し, 1歳時に死亡している. 本児は, 精神運動発達遅滞があり, 生後11/2カ月よりtonicspasmを認め, 脳波所見では, sup Pression-burstを示し, 臨床的にはEIEEと考えられた. CTスキャンでは, 大脳基底核, 視床のみならず, 大脳皮質, 白質, 小脳におよぶ広範な対称性の低吸収域を認めLeigh脳症が疑われた. 症状は進行性の経過をとり, 4ヵ月20日呼吸不全にて死亡した.
剖検所見では, 大脳皮質, 白質, 基底核, 視床, 中脳, 小脳に毛細血管の増生および一部グリオーシスを伴う広範な壊死性病変を認め, Leigh脳症と診断された. さらに本例では, 乳頭体にも同様の病変を認めた.
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