脳と発達
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亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) に対するinosiplexの効果-長期投与例について
二瓶 健次工藤 英昭阿部 知子内藤 春子鈴木 貞行宮尾 益知
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1984 年 16 巻 4 号 p. 262-270

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抄録
亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) の4例に初期からinosiplex (isoprinosine) を投与し, 2年以上の長期間経過を見た. inosiplexは50~200mg/kg/dayで1日4回に分割して経口的に投与した. 尚初期にのみtransfer factorを併用した.
1例は, 臨床症状の改善が投与後3カ月位してから見られ, 以後徐々に改善傾向を示している. また麻疹抗体も1年位後から低下傾向を示した. 1例は一時軽快傾向を示したが後悪化, 他の2例はそのまま進行した. これら3例の麻疹抗体価の変動は見られなかった. 現在も尚投与継続中であるが, 悪化した3例も症状は現在進行していない. 自然寛解との判別は困難だが, 試みられるべき薬剤と考えられた. 尚4例とも明らかな副作用は認められなかった.
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© 日本小児小児神経学会
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