脳と発達
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16 巻 , 4 号
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  • 前川 喜平
    1984 年 16 巻 4 号 p. 252
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 小林 康子, 宮林 重明, 高田 五郎, 成沢 邦明, 多田 啓也
    1984 年 16 巻 4 号 p. 253-261
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    高乳酸血症を伴った小児のミトコンドリアミオパチーの2症例について, 大腿四頭筋および直腸粘膜の生検材料を電顕的に観察し, 以下の所見を得た. (1) 種々のミトコンドリアの異常が骨格筋のみならず直腸粘膜筋板の平滑筋細胞にも認められた. (2) 骨格筋および直腸粘膜筋板内に分布する連続性毛細血管の多くは, 内皮細胞が高度に肥厚または膨化し, 血管内腔はほとんどふさがれていた. (3) したがって, 筋組織は毛細血管の閉塞による血流障害のため, 長期にわたり虚血状態におかれていると考えられた. (4) 直腸粘膜上皮細胞にはミトコンドリア異常が認められず, 粘膜固有層に分布する有窓性毛細血管もほぼ正常の構造を示した. これらの所見に基づき, 本症例における骨格筋および平滑筋細胞のミトコンドリア異常は, 長期の虚血状態の結果もたらされたものと推論した. 生化学的には, 線維芽細胞または血小板のpyruvate dehydrogenasecomplex, pyruvate decarboxylase, α-ketoglutarate dehydrogenase complex, α-ketoglutarate decarboxylaseおよびpyruvate carboxylase活性に異常がなく, 筋組織のcytochrome Coxidase活性も正常であり, 本症例の高乳酸・高ピルビン酸血症も, 筋細胞の虚血により二次的に出現したものと思われた.
  • 二瓶 健次, 工藤 英昭, 阿部 知子, 内藤 春子, 鈴木 貞行, 宮尾 益知
    1984 年 16 巻 4 号 p. 262-270
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) の4例に初期からinosiplex (isoprinosine) を投与し, 2年以上の長期間経過を見た. inosiplexは50~200mg/kg/dayで1日4回に分割して経口的に投与した. 尚初期にのみtransfer factorを併用した.
    1例は, 臨床症状の改善が投与後3カ月位してから見られ, 以後徐々に改善傾向を示している. また麻疹抗体も1年位後から低下傾向を示した. 1例は一時軽快傾向を示したが後悪化, 他の2例はそのまま進行した. これら3例の麻疹抗体価の変動は見られなかった. 現在も尚投与継続中であるが, 悪化した3例も症状は現在進行していない. 自然寛解との判別は困難だが, 試みられるべき薬剤と考えられた. 尚4例とも明らかな副作用は認められなかった.
  • 三牧 孝至, 藪内 百治
    1984 年 16 巻 4 号 p. 271-278
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    精神遅滞を有する小児の実態を把握し, その原因疾患を検討するために, 大阪府管轄の保健所 (24保健所7支所) で扱った障害児について調査した。対象は昭和52年から昭和55年の間に, 大阪府で出生した316,153名のうち, 昭和56年6月迄に, 保健所で扱った障害児1,854名である. これらの障害児の性別は, 男子1,081名, 女子704名, 不明69名で, 約3: 2の比率で男子に多くみられた.
    対象となった障害児のうち, 精神遅滞を示す者の内訳は, 重症心身障害児234名 (12.6%), 重度精神遅滞児65名 (3.5%), 中度精神遅滞児319名 (172%), 軽度精神遅滞児441名 (23.8%) であった.
    精神遅滞児全体の主な原因疾患としては, 原因不明の遅滞が400名 (48.5%), ダウン症候群が171名 (20.7%), 訓練した中枢性運動協調障害39名 (4.7%), 点頭てんかん29名 (3, 5%), 奇型症候群の精神遅滞26名 (3.2%), 水頭症が23名 (2.8%) の順であった.
  • 冨田 豊, 阿部 勝利, 森 忠三
    1984 年 16 巻 4 号 p. 279-284
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    満期出生の正常新生児36名, ハイリスク新生児14名を対象として, 出生直後から生後1カ月までに合計71回の聴性脳幹反応 (BAERs) を測定し, 以下の結果を得た.
    1.正常新生児では, 出生直後 (生後24時間以内) には各波潜時あるいは1波と各波の間隔が延長していた. とくにV波潜時, I-V波間隔では統計的有意差 (P<0.01) をもって確認できた.
    2.ハイリスク新生児では, 出生直後 (生後24時間以内) には各波とも誘発が困難な例が多かった。測定が可能であったV波潜時, あるいはI-V波間隔の延長度は正常新生児群とほぼ同様であった.
    3.ハイリスク新生児のBAERsに異常をもたらす特定の要因は同定できなかった. 出生直後の新生児の脳幹機能をBAERsで評価するにあたっては, 正常群での変化を念頭におく必要がある.
  • 田角 勝, 林 美智子, 岩本 弘子
    1984 年 16 巻 4 号 p. 285-289
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    大頭症63例より, 特に家族性大頭症16例について, 家族歴, 臨床所見, CT所見を検討した.
    家族性大頭症の16例中13例は男児であった. 両親の頭囲では, 父親は13例において大頭であり, 母親は1例のみであった. 兄弟姉妹では, 大頭は約半数にみられ, 男女差はなかった.
    臨床的には乳児期にやや発達の遅れる傾向がみられた. しかしながら, 徐々に改善し予後良好と考えられた.
    CTスキャンでは, 軽度脳室拡大および萎縮様所見はしばしばみられたが, 特異的な所見はなく, 悪化する傾向もみられなかった.
    家族性大頭症は, 大部分の症例において予後良好であり, 不必要な検査や危惧はさける必要があると考えられた.
  • 神田 豊子, 弓削 マリ子, 家森 百合子, 深瀬 宏, 吉岡 博, 森川 佑二
    1984 年 16 巻 4 号 p. 290-300
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    痙直型両麻痺における早期訓練開始群と訓練開始が遅れた群との比較における治療効果の判定では, 統計的に有意差があり, 早期治療は歩行の予後を変えうる効果があることはすでに報告した.
    患児は, 生後4カ月で訓練を開始した.姿勢反応の異常, 原始反射の異常および2歳3カ月に歩行安定するまでの運動パターンの異常から, 痙直型両麻痺と診断された. 最近, 姿勢反応の正常化および原始反射の正常化が得られつつあり, 脳性麻痺から離脱しつつあると考えられる.
    66例の痙直型両麻痺と本例との比較検討を行った. 1歳3カ月時のCT所見では, 大脳萎縮像を認め, 歩行開始の可能性の低い群に属すると考えられた. 超早期訓練を長く継続しつづけていることにより, 現在の歩行が安定し, 脳性麻痺から離脱途上にあると考えられた.
  • 江角 典子, 町田 幸康, 吉岡 博, 沢田 淳, 楠 智一, 粕淵 康郎
    1984 年 16 巻 4 号 p. 301-308
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    伝染性単核症に顔面神経麻痺を伴った症例は外国では散見されるが, 本邦においては本例が第2例である. 8カ月の男児で典型的な伝染性単核症の症状を呈し, 第2病日より右側顔面神経麻痺が出現, 第3病日より左側の顔面神経麻痺も出現し両側性となった. 他の神経症状は認められず, 麻痺は左側が約1カ月半, 右側が3カ月で完治した. EBウイルス抗体価の上昇を認めたため伝染性単核症に伴うものと診断した.
    文献上18例の伝染性単核症に伴う顔面神経麻痺症例を集計した. 両側性が過半数を占めていた. 本邦例以外は青年期に多かったが, 本邦例は乳幼児であった. 顔面神経麻痺, 特に比較的稀といわれる両側麻痺を呈する症例についてはEBウイルスの関与は常に念頭に置くべきものと思われた.
  • 1984 年 16 巻 4 号 p. 308
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 香坂 忍, 井田 道子, 粟屋 豊, 福山 幸夫
    1984 年 16 巻 4 号 p. 309-316
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    単純ヘルペスウイルス脳炎の初発症状として, 精神症状 (特に精神分裂病様症状) を呈する例がある事が知られている.
    私達も同ウイルスによると考えられる脳炎で, 精神症状 (譫妄) を初発とし, 緊張病性昏迷様状態へと移行し, 終夜脳波ポリグラフにおいて異常睡眠パターン (Stage 1-REM) を認める症例を経験した. 同様の異常睡眠パターンは, 慢性アルコール中毒者の断酒後のいわゆる振戦譫妄 (delirium tremens) で見られ, 原因としては縫線核群セロトニン系ニューロンの機能低下が想定されている. 本症例において私達は, 辺縁系-中脳・脳幹部の連絡も異常睡眠パターン, ひいては譫妄の発現に関与していると考えた.
  • 服部 英司, 山入 高志, 金 正義, 松岡 収, 村田 良輔, 一色 玄
    1984 年 16 巻 4 号 p. 317-321
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    生後3カ月の二卵性双生児の妹にみられたAicardi症候群について報告した.
    患児は, 在胎39週, 生下時体重2, 1909で出生し, 生後2カ月半より痙攣がみられた. 両側の小眼球症, 脊椎奇形, CTにて脳梁欠損と孔脳症, 脳波上hypsarhythmiaを示し, 運動発達遅滞を認めた. 眼科的に, 特徴的1acunaを認め, Aicardi症候群と診断した. 先天性代謝異常の検査, ウイルス抗体価は異常を示さなかった. 血液型検索にて, 姉妹の不一致を呈し, 二卵性双生児と判定した.
    Aicardi症候群の成因は不明であるが, 遺伝要因の関与を強く示唆する症例である.
  • 田角 勝, 伊藤 貞男, 大野 博美
    1984 年 16 巻 4 号 p. 322-327
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    頭部断層エコーにより, 多嚢胞性脳軟化症と診断した1症例を報告した.
    16日齢, 女児. 発熱, 痙攣重積状態を主訴として来院し入院となる. 髄液所見では細胞数の増多, 蛋白の増加, 糖の減少を認めたが, 細菌およびウイルス分離は陰性であった. 髄液のヘルペスウイルスのCF抗体価は入院時1倍以下であったが, 第23病日では4倍に上昇しヘルペス脳炎と考えられた. CTスキャンは, 第8病日に施行し脳浮腫所見のみであった. さらに第28病日には大脳全体に不規則な低吸収域を認めた. ほぼ同時期の頭部断層エコーでは, 脳室の拡大とともに多発性嚢胞を大脳半球全体に認め多嚢胞性脳軟化症と診断した.
    多嚢胞性脳軟化症の診断においては, CTスキャンより頭部断層エコーが早期に, かつ鮮明に嚢胞の描出が可能であると考えられた.
  • 吉本 雅昭, 高柳 俊光, 永吉 智子, 馬場 常嘉, 辻 芳郎, 白井 清夫, 辻畑 光宏
    1984 年 16 巻 4 号 p. 328-329
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    現在2歳9カ月の男児. 出生時からの著明なCPK上昇を伴う非特異的ミオパチー, 1歳8カ月頃より急速に顕性化した先天性副腎低形成, 精神運動発達遅滞, 身体発育不良等の特徴ある症候に加え, 高グリセロール血症, グリセロ. ル尿を認めた, 本症は, McCabeらの報告しているグリセロールキナーゼ欠損症と同疾患と考えられ,[新しい疾患単位を示唆している.]
  • 沼口 俊介
    1984 年 16 巻 4 号 p. 330-331
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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