精神遅滞を有する小児の実態を把握し, その原因疾患を検討するために, 大阪府管轄の保健所 (24保健所7支所) で扱った障害児について調査した。対象は昭和52年から昭和55年の間に, 大阪府で出生した316,153名のうち, 昭和56年6月迄に, 保健所で扱った障害児1,854名である. これらの障害児の性別は, 男子1,081名, 女子704名, 不明69名で, 約3: 2の比率で男子に多くみられた.
対象となった障害児のうち, 精神遅滞を示す者の内訳は, 重症心身障害児234名 (12.6%), 重度精神遅滞児65名 (3.5%), 中度精神遅滞児319名 (172%), 軽度精神遅滞児441名 (23.8%) であった.
精神遅滞児全体の主な原因疾患としては, 原因不明の遅滞が400名 (48.5%), ダウン症候群が171名 (20.7%), 訓練した中枢性運動協調障害39名 (4.7%), 点頭てんかん29名 (3, 5%), 奇型症候群の精神遅滞26名 (3.2%), 水頭症が23名 (2.8%) の順であった.
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