脳と発達
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頭部CTでlacunar infarctと診断された小児例の検討
中野 千鶴子江田 伊勢松金藤 康子高嶋 幸男竹下 研三
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キーワード: 穿通動脈, 片麻痺
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1984 年 16 巻 5 号 p. 365-370

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抄録

頭部CTでlacunar infarctと診断された6カ月から9歳の小児9例について検討した.8例は片麻痺を主症状として発症し, その他, 構音障害, 失語症, 意識障害, 振戦が認められ, 1例は無症状であった.頭部CT上, lacunaは主に内包, 被殻, 尾状核に認められた.予後は比較的良かったが, 中大脳動脈から分岐する外側レンズ核線状体動脈領域のlacunaや大きな1acunaは予後は必ずしも良くなかった.原因については不明なものが多かった.1例は脳血管写で左内頸動脈閉塞が証明され, 1acunar infarctの小児例でも脳血管写が必要であると考えられた。

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© 日本小児小児神経学会
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