脳と発達
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新生児, 未熟児の頭部断層エコー像による側脳室幅-大脳半球幅比 (LVW/HW ratio) の臨床的意義に関する検討
田角 勝
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1984 年 16 巻 6 号 p. 450-455

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抄録

頭部断層エコー検査を205例の新生児に経時的に行い, 側脳室幅-大脳半球幅比 (LVW/HW ratio) を計測し, その臨床的意義を検討した. LVW/HW ratioの正常値は, 0-1日齢では0.281±0.033であり, 2日齢以後と比較して低値であった. 同一修正週数における比較では, 未熟児においてLVW/HW ratioが大きかった.
脳室内出血では, Grade I, Hでは, LVW/HW ratioは正常児と変化なかったが, Gradem, IVでは高値を示していた. 脳室内出血後水頭症では, LVW/HW ratioは0.38から0.58であった. 脳室拡大は0.35以上を病的拡大と考えるべきだと思われた. しかしながら, 水頭症の早期発見にはあまり有用とは言えず, 経時的経過観察が大切であった.

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© 日本小児小児神経学会
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