脳と発達
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小児神経筋疾患の尿中3-メチルヒスチジン
熊谷 俊幸竹内 達生原 紀美子宮崎 修次利光 貞次郎塩野谷 隆義小松 喜代水谷 直樹渡辺 一功
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1984 年 16 巻 6 号 p. 445-449

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抄録

メチルヒスチジンは筋肉のアクチンとミオシンの崩壊により産出されるアミノ酸で, 血中で再利用されずにただちに尿中に排出されるため, 筋蛋白の崩壊度を示す指標として利用できる. われわれは, 小児神経筋疾患21例, 対照9例について尿中3-メチルヒスチジン (クレアチニン比) を測定した.
対照では34.7±3.6mg/gクレアチニンであったのにくらべ, Duchenne型筋ジストロフィー症 (5例) で67.4±10.9, 福山型先天性筋ジストロフィー症 (6例) で73.4±9.9, Werdnig-Hoffmann病 (5例) で68.8±15.9mg/gクレアチニンといずれも有意の高値を得た.
他の筋疾患でも対照とくらべ, 高値が得られ, 本方法は神経筋疾患診断上, 有用と考えた.

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© 日本小児小児神経学会
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