脳と発達
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幼児型ceroid-lipofuscinosisの超微形態所見
特に皮膚生検の診断的有用性について
木村 清次
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キーワード: 幼児型
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1985 年 17 巻 3 号 p. 218-222

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抄録
幼児型ceroid-lipofuscinosis (CLF) の6歳男子の血液細胞, 生検皮膚, 生検直腸粘膜を電子顕微鏡学的に観察し, 以下の所見を得た.
1) curvilinear profile (CLP) が種々の組織で観察され, 他の封入体は認められなかった.
2) 末梢血では, リンパ球以外に好中球にもCLPが認められた.生検皮膚では, CLPは汗腺上皮細胞に最も著明に認められ, 他に軸索内, 血管内皮細胞内, 平滑筋細胞内などの種々の組織に認められた.直腸粘膜では, 血管内皮細胞, 平滑筋細胞, 神経細胞, シュワン細胞, 直腸粘膜細胞にCLPが認められた.
3) 手技の安全性, 簡易性および得られる情報量の多さなどを考えるとCLFの診断には皮膚生検が最も有用であると思われた.
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© 日本小児小児神経学会
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