脳と発達
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姿勢反応の異常発達についての検討
その1. Landau反応
神田 豊子有井 悦子弓削 マリ子家森 百合子鈴木 順子友吉 瑛子谷岡 賢一
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1985 年 17 巻 4 号 p. 301-306

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抄録
脳性麻痺は, 正常な姿勢反応能がそこなわれた状態であると理解されている.しかし, 周産期にうけた脳障害のため, 異常となった姿勢反応がどのような発達をみるかについての報告はない.本園に3カ月未満で初診した中枢性協調障害児100例 (内訳: 脳性麻痺群14例, 訓練群40例, 正常群46例) のLandau反応につき検討した.結果は,(1) 新生児期相当の頸部伸展欠如のものは, 脳性麻痺群の50.0%を占めたが, 訓練群・正常群では, おのおの15.0%, 21.7%を占めるにすぎなかった. (2) 脳性麻痺群は, 初診時のパターンから, 徐々に頸部伸展欠如, 体幹低緊張, 下肢伸展のパターンに移行した. (2) 長期訓練で, 現在minimal CPである1例は, 初診時より1年以上, 頸部伸展欠如, 体幹低緊張, 下肢伸展の典型パターンを示していたが, 3歳8カ月頃より, 頸部伸展欠如・体幹低緊張・下肢屈曲の, 正常成熟新生児のパターンをとりつつある.したがって, Landau反応の発達の方向性は, 運動発達の予後と, 密接な関連をもっていた.
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© 日本小児小児神経学会
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