1986 年 18 巻 5 号 p. 347-353
意識混濁を主症状とする女性のてんかん患者で, clonazepam (CZP) を含む数種の抗てんかん薬を服用中の15歳時に強直発作を合併した1例を経験した.この強直発作は約1~3分続き, 入眠直前に頻発した.経時的な終夜睡眠ポリソムノグラムでは, CZP服用中には, 睡眠のtonicな要素 (REM段階および徐波睡眠の出現率) およびphasicな要素 (gross movement, twitch movement, REM段階のREMs) の著明な抑制がみられた.
この強直発作の病態について, CZPによる睡眠パラメーターの変化をもとに, 脳内モノアミン代謝の面から考察を加えた.