1986 年 18 巻 5 号 p. 423-425
神経筋疾患の診断における骨格筋の超音波断層検査とcomputedtomography (CT) の有用性を比較検討する目的で, 筋ジストロフィー患者15例, 年齢は2歳から14歳3カ月までの男児14例, 女児1例の大腿について両検査を施行し, 以下の結果を得た.
(1) 超音波断層所見は加齢とともに異常所見を示すものが増加する傾向があった.
(2) 超音波断層所見は運動機能障害度の進行や筋力の低下とともに異常所見を示すものが増加した.
(3) 超音波断層所見はCT所見の異常の出現時期や異常の程度とよく相関していた. ただし, 1例においてはCTにより早期から異常所見がみられた.