脳と発達
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ロタウイルス腸炎を契機に軽快した点頭てんかんの2例
藤田 之彦日吉 一夫若杉 直俊作田 亮一柳田 恭子淵上 達夫後藤 一彦大久保 修内海 康文
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1988 年 20 巻 1 号 p. 59-63

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抄録

ロタウイルス腸炎罹患を契機にそれまで頻発していた痙攣発作が一時的に全く消失した点頭てんかんの2例を報告した. 2例ともに症候性点頭てんかんであり, 一日に10回程度のシリーズ形成の痙攣発作が下痢出現後3日目には1日に1回となり5日目からは全く消失した. また脳波上も2例ともに改善し, 発作波は限局化を示した. しかしそれぞれ痙攣発作消失後16日目と30日目に下痢出現前と同様の発作型で再発した. これらの作用機序は不明であるが, 突発性発疹症や麻疹などの感染症でも同様の報告があり免疫学的作用機序などが推察された.

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© 日本小児小児神経学会
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