脳と発達
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Transethomoidal encephaloceleに伴う反復性化膿性髄膜炎の1例
高橋 貢鈴木 俊二長尾 秀夫松田 博
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1988 年 20 巻 1 号 p. 64-68

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抄録

肺炎球菌による化膿性髄膜炎をくり返した男児例を報告した. 頭蓋, 全脊椎の単純X線検査, 通常のCT検査では異常を認めず, また, 免疫学的にも異常は認められなかった. 3回目の化膿性髄膜炎発症後に冠状CT検査を施行し, 節板の欠損と飾骨洞内に約1×2cmの脳脱を認めた. 耳鼻科的手術を施行し, 術後の経過はきわめて良好である. RI cisternographyと糸つき綿球を一定の鼻腔内に挿入しRIカウントを測定することによる髄液鼻漏の診断は, 髄液鼻漏の存在と部位の確認, 手術予後の判定に有用と思われた.

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© 日本小児小児神経学会
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