抄録
Dejerine-Sottas病 (hereditary motor & sensory neuropathy) 3症例の臨床所見と腓腹神経所見に関して報告した. 全例, 運動発達遅延を認め, 歩行は失調性で年齢が進むにつれて失調性歩行は改善された. Gowersの徴候陽性, Romberg徴候陽性, 深部知覚障害, 髄液蛋白の著明な増加, MCVの著明な遅延を示した. 両親は, 神経学的には異常を認めず, MCVも正常であった. 腓腹神経所見は, 脱髄および再生の所見はなく, hypomyelinationが特徴であった. onionbulb形成は, 症例により異なっていた. 全例において無髄線維密度は低下し, 特に年長児においては, 著明に低下していた. 1例のみ症状は進行していたが, 他の2例は, 進行はなく歩行はむしろ安定してきた.