脳と発達
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ペルオキシソーム病の臨床生化学的検討
下沢 伸行鈴木 康之山口 清次清水 信雄折居 忠夫
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1988 年 20 巻 6 号 p. 480-491

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抄録
細胞内小器官の一つであるペルオキシソームは, 生体において脂肪酸を中心とした種々の代謝系に重要な役割を演じていることが解明されており, その機能異常を呈すペルオキシソーム病も次々に報告されている.筆者らは脂肪酸分析, 有機酸分析, ペルオキシソームβ酸化系酵素活性ならびに酵素蛋白量, プラスマローゲン合成系酵素活性, 肝電顕像などの検討より, Zellweger症候群7例と, 類似の臨床像ながら病態の異なる症例を2例経験したので, その臨床生化学的特徴を報告した.更に病態の解明のためにこれら患児の線維芽細胞を用いて行った細胞内プロセッシングや膜蛋白などの分子生物学的検討および出生前診断, 治療についても述べた.
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© 日本小児小児神経学会
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