脳と発達
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20 巻, 6 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 小児神経科医が忘れてならない態度
    廿楽 重信
    1988 年 20 巻 6 号 p. 458
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 小西 行郎, 栗山 政憲, 須藤 正克, 早川 克己, 中村 凱次, 小西 薫
    1988 年 20 巻 6 号 p. 459-463
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児および乳幼児6例の上矢状静脈洞血栓症について報告した.誘因として, 新生児多血症, 脱水および扁桃炎が考えられた.臨床像は多岐にわたるが, 半身痙攣, 半身麻痺, 意識障害および大泉門の膨隆などが特徴であった.急性期のCTスキャンには, 脳浮腫および静脈洞交会および直静脈洞の高吸収域がみられた.3例でdigital subtraction angiography (DSA) を用いて, 残り3例は脳血管写 (CAG) を行い診断した.DSAは新生児および乳幼児にも比較的容易に行え, 本症の診断に有用であった.
  • 小枝 達也, 竹下 研三
    1988 年 20 巻 6 号 p. 464-467
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    学習障害 (LD) の書字障害を判断するための基準として, 健常な学童の作文中に認められる平仮名の誤りを分析・検討し, 以下の結果を得た. (1) 平仮名の修得は, 2学年末までの間に急速に伸び, その後ゆっくりと伸びる. (2) 長音, 促音などの特殊音節文字の修得は, 学年間であまり差がなく助詞などに比べると修得が困難である. (3) IQと誤字数との間の相関は低い.こういった健常児の特徴を知ったうえで, LDの書字障害を考えてゆくことが重要と思われた.
  • 中嶋 靖潤, 田中 あけみ, 川脇 寿, 服部 英司, 松岡 収, 村田 良輔, 一色 玄, 井上 佑一
    1988 年 20 巻 6 号 p. 468-473
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ムコ多糖症 (MPS IS2例, IIA1例, IIIB2例, VI1例) 6症例を対象とし, 頭部MRIを施行し, その有用性を検討した.
    MPS II A, Viでは大脳白質内に大小散在性のT1, T2延長像が認められ, MPSに特徴的な水溶性の酸性ムコ多糖を含有する血管周囲の小窩や小嚢胞性病変をあらわす病理変化に対応すると考えられた.またMPS II A, III Bでは大脳白質は全体にその特有の信号強度を示さず, 髄鞘の障害が考えられ, この病変と精神発達遅滞との関連が示唆された.一方MPSISでは脳内に異常所見は検出されなかった.MRIはMPSに特徴的な病理変化に対応すると思われる所見を得ることができMPSの病型の鑑別診断に有用である.
  • 亀田 桂司, 若井 周治, 岡部 稔, 永岡 正人, 安中 俊平, 南 良二, 舘 延忠, 篠田 実
    1988 年 20 巻 6 号 p. 474-479
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Rigid spine症候群の3症例について, 臨床像と筋肉組織所見を中心に報告した.全例, 全身的な筋萎縮と筋力低下, 頸部前屈制限, 脊柱側彎, 四肢の関節拘縮を伴っていた.症例1では筋肉のCTにて疏幹伸展筋群の低吸収像を認め, これらの筋群のより高度な変性が推測された.症例3では22歳時より心房細動を伴い, Emery-Dreifuss型筋萎縮症との鑑別が困難と思われた.筋肉組織所見は症例2と症例3において, type I fiberの小径化と優位を認めた.症例1においては2度筋生検がなされいずれにおいても, type II fiberの小径化が認められ, 2度目の筋生検では新しい所見としてtype I fiberの優位を認めた.
  • 下沢 伸行, 鈴木 康之, 山口 清次, 清水 信雄, 折居 忠夫
    1988 年 20 巻 6 号 p. 480-491
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    細胞内小器官の一つであるペルオキシソームは, 生体において脂肪酸を中心とした種々の代謝系に重要な役割を演じていることが解明されており, その機能異常を呈すペルオキシソーム病も次々に報告されている.筆者らは脂肪酸分析, 有機酸分析, ペルオキシソームβ酸化系酵素活性ならびに酵素蛋白量, プラスマローゲン合成系酵素活性, 肝電顕像などの検討より, Zellweger症候群7例と, 類似の臨床像ながら病態の異なる症例を2例経験したので, その臨床生化学的特徴を報告した.更に病態の解明のためにこれら患児の線維芽細胞を用いて行った細胞内プロセッシングや膜蛋白などの分子生物学的検討および出生前診断, 治療についても述べた.
  • 石川 丹, 岡安 多香子, 深沢 雄一郎, 若浜 陽子, 鴫原 一恵, 福島 直樹, 高瀬 愛子, 我妻 義則
    1988 年 20 巻 6 号 p. 492-496
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    出生翌日から呼吸不全, 筋緊張低下, けいれんを呈し, 脳波はsuppression-burstからhypsarhythmiaに変容した典型的非ケトーシス型高グリシン血症を報告した.安息香酸ナトリウムの静注によって呼吸不全は消失した.剖検では脳幹脊髄にspongy myelinopathyを認めた.肝, 脳のグリシン開裂酵素欠損が確認された.
  • 角 哲雄, 河合 勇人, 梶井 直文
    1988 年 20 巻 6 号 p. 497-502
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Lennox-Gastaut syndrome (LGS) が寛解した後に, 前頭葉起源と思われる部分発作を発現した稀な1例を報告した.患者は17歳男子.7歳5カ月時にLGSを発症したが12歳時より発作消失し, てんかん性突発波も認められなくなった.15歳時発作再現, 発作時脳波およびVTRに記録された臨床発作像の検討から, 発作は前頭葉起源と考えられた.発作は腰を左右に振る動きで始まり, 次いで下肢の伸展屈曲が認められ, 激しい体動が引き続いた.意識回復は速やかであった.口部自動症は終始欠如していた.長期発作反復の結果, 新たにてんかん焦点が特に前頭部に形成されたもので, 特殊なsecondaryepil eptogenesisの例と考えられた.
  • 松浦 伸郎, 加藤 栄司, 山本 正士, 宇都宮 英綱, 松石 豊次郎, 藤本 保, 庄司 紘史
    1988 年 20 巻 6 号 p. 503-508
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    単純ヘルペス脳炎 (以下HSE) の診断の重要項目である,(1) 特徴的な臨床像,(2) 脳波上の周期性発射,(3) CTで側頭葉の低吸収域と造影剤増強効果を示しHSEを強く疑い, 血清s-CRN (slow reacting complement-requiring neutralizing antibody) の軽度の抗体上昇がみられた5カ月男児例を経験した.また現在行われている抗体測定による診断上の問題点を指摘し抗体陰性例とも考えられる類似症例に関し言及した.
  • 山下 裕史朗, 堀川 瑞穂, 安藤 寛, 片渕 幸彦, 松石 豊次郎, 橋本 武夫
    1988 年 20 巻 6 号 p. 509-511
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    6例の胎内ウイルス感染症 (風疹ウイルス2例, サイトメガロウイルス4例) の頭部超音波断層像について検討した.先天性風疹症候群の2例ともにsubependymal cystを認めた (うち1例は, 脳内石灰化も伴った).先天性サイトメガロウイルス感染症の4例中2例にsubependymalcystを, 1例に脳内石灰化のみを認め, 1例は正常であった.頭部超音波断層法で, subependymal cystや脳内石灰化を認めた場合, 積極的に胎内ウイルス感染症を疑う必要があると考えられた.
  • 田角 勝, 奥山 和男, 川内 章裕
    1988 年 20 巻 6 号 p. 512-514
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    超音波カラードプラ断層法およびパルスドプラ法を用いて頭蓋内静脈血流速を検討した.頭蓋内静脈は, カラードプラ断層法により内大脳静脈, 大大脳静脈, 下矢状静脈洞, 直静脈洞など主たる静脈を描出できた, 中でも内大脳静脈, 直静脈洞は血管が太く良い入射角を得ることができ, 安定した所見が得られた.直静脈洞血流速は, 14.5±5.9cm/sec, であった.また, 直静脈洞血流速は, 体に力を入れたり頸部の軽い圧迫により容易に変化した.超音波パルスドプラ法およびカラードプラ断層法は, 頭蓋内静脈の検討にもきわめて有用であると考えられた.
  • 多田 博史, 田中 宗史, 稲田 悦子, 古賀 一江, 諸岡 啓一, 有本 潔, 松尾 多希子
    1988 年 20 巻 6 号 p. 514-516
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Menkes病の1例に活性酸素除去作用を有する酢酸トコフェロール投与を試みた.症例は生後3カ月で本症と診断され, 経静脈的に銅補充療法が行われた.血清銅およびセルロプラスミン値は正常化し, 髄液カテコールアミン代謝産物の異常も改善したにもかかわらず, 中枢神経症状の進行をきたした.酢酸トコフェロールの経口投与 (6mg/kg/日) を開始したところ症状進行前の状態にまで改善し, 有効と考えられた.このことより本症の中枢神経症状の発現には活性酸素が関与していると推測された.また, 酢酸トコフェロールは安全性が確認されており, 本症に使用すべき薬剤と考えられた.
  • 有馬 正高
    1988 年 20 巻 6 号 p. 517-521
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    International Headache Societyにもうけられた委員会が頭痛に関する国際分類を公表した. 関係者に周知して欲しい旨の手紙が同委員長Dr. Jes Olesenから寄せられたので抜粋を掲載する.
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