抄録
Rett症候群5例のCTスキャンの経時的な変化を検討した.各症例に共通した経時的変化のうち最も明らかな変化は, シルビウス裂, 前頭葉前極部脳外腔, および大脳縦裂の拡大と, これらの部位の周囲における脳溝の拡大であった.この変化は同部位における皮質または皮質直下の白質の進行性の病態を示唆すると考えられた.この他に, 症例により側脳室前角と第3脳室とが経過とともに拡大し, また脳幹と小脳とは若年より小さく, 成長不良の傾向があった.本症候群における病変は脳の広い範囲におよぶが, 特にシルビウス裂周囲と前頭葉とにおいて著しく, その変化は臨床症状同様に進行性であることが明らかになった.CTスキャンは本症候群の診療と病因・病態の追求に有用である.