脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
鎖肛を合併した福山型先天性筋ジストロフィー症の1例
荻原 ゆかり八木 芳雄沢井 信邦中澤 良樹松村 忠雄津野 隆久神田 仁市川 元基小池 健一矢野 秀実百瀬 芳隆
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 21 巻 4 号 p. 392-393

詳細
抄録
福山型先天性筋ジストロフィー症 (以下FCMD) に, 鎖肛を合併した症例を経験した.症例は, 1歳男児.日齢2で, 入工肛門を造設され, その後の発達遅延のために当科を受診した.全身の筋緊張低下, 関節拘縮, MM型CPK上昇, 頭部CTスキャン所見, 筋生検所見より, 典型的なFCMDと診断した.鎖肛は, 低位鎖肛でありながら, 直腸球部尿道瘻を持つ極めて稀な型であった.
鎖肛は, 胎生早期の発生学的異常で起こるとされており, FCMDの発症時期, 原因を考える上で興味深い症例と思われた.
著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top