脳と発達
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髄液のneuron-specific enolase活性測定におけるけいれん発作の影響
野崎 秀次浜野 晋一郎堀田 秀樹奈良 隆寛中江 陽一郎前川 喜平
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キーワード: けいれん重積
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1989 年 21 巻 4 号 p. 394-396

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抄録
熱性けいれん36例およびてんかん69例において発作後早期に髄液および血清のneuron-specific enolase (NSE) 活性を測定した.多くの症例でNSE活性は正常範囲内にとどまった.正常上限をこえたものはわずかに認められたが, このNSE活性の上昇は, 以前に経験した脳炎・脳症などの場合と比較して明らかに低値であった.また, この上昇の度合いとけいれん持続時間および発作型との間に相関は認められなかった.今回の結果から, けいれん性疾患においてNSE活性を重積発作の神経細胞に対する影響をみる指標とするのは困難であると考えられた.また脳炎・脳症などにおいてNSE活性を測定する上でのけいれん発作の2次的な影響は少ないと推測された.
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© 日本小児小児神経学会
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