抄録
歳より12歳にいたる正常健康小児1,340名を対象として, 閉眼時に左前頭, 中心, 後頭より脳波を単極導出, 磁気記録し自己回帰・要素波解析を施し, β波の減衰周波数, パワー, 減衰時間の発達に伴う変化を追跡した.ついで, パターン識別によって各年齢群間の脳波特性の統計的検定を行った.その結果,(1) β波は3つの帯域に分けられ,(2) 出現率はβ2波>β1波>β3波で, 4歳で最大であった. (3) パワーはβ1波>β2波>β3波の順に年齢とともに漸増し, β1波は7~8歳で最高値を, β2波は12歳に至るもなお増加した. (4) 減衰時間は年齢に伴う発達はみられなかった. (4) パターン識別の結果から, β波は前頭部で4歳時に, 中心部で10歳時に, 後頭部で3歳ないし7歳時に発達の臨界期が存在する事が推定された.